日々の進捗

本条さんが読んだり遊んだりしたもののメモ

歌集『にず』(田宮智美)・2

  • 前回はこちら。今回は、P58から最後まで。

  • 改めて、日々のちょっとした、心がささくれるような瞬間をスルーしない歌集だな、と思う。
    本当に、すごく好きな一冊だった。

  • 色々と共感する歌は多いけど、特に呼び鈴の歌(下に引用)はハッとなった。住人と一緒に入ることはあっても、ひとりで訪ねることのない部屋が、かつてあったな、と。

  • 概ね同年代なので、あとがきの諸々(歌集を出すに至った感情)なども、ストレートに沁みるものがある……。

一人では来たことのない部屋だから呼び鈴そういや押したことない(P106)

甥っ子がこの家にいる六日間のために積み木は隣町から来る(P146)