日々の進捗

本条さんが読んだり遊んだりしたもののメモ

歌集『はるかカーテンコールまで』(笠木拓)

  • 「未来」誌の原稿チェック用に、発行所からお借りしてきたもの。
    本当は、引用歌が合っているかどうかを見れば良い……だけなんだけど、気になるから読んじゃおう、そうしよう。

  • 作中主体は、大学生くらいかなと想像しながら読んだ。
    途中までは、男性視点(というか、一人称が「僕」)の歌が多くて、そういうイメージで読み進めていたのだけど、途中、化粧品などのモチーフが増えてきて、そのあたりがよくわからなくなった。
    まぁ、主体が複数人いてもおかしくないし、自分の分身として男性と女性の両方を使うこともあるので、そのシーンそのシーンで好きなように読んでしまうことにする。
    じっくり読み返していけば、もっと「ストーリー」みたいなものが見えてくるのかもしれない。

  • 「傘」「川」「雨」「星」「風」などのワードが多い印象。
    淡い手触り……かと思いきや、具体が効いていて、描かれる心情もほのかに捻れていたりして。
    日常の延長……ではあるけれど、生活感というのともちょっと違うかもしれない。
    読書会をしたらたのしい歌集だろうなぁ。

  • これは改めて買ってしまおうかな、とAmazonを覗いてみたら、だいぶプレミアがついていた。しょぼーん。

    https://amzn.to/4b10O0g

星を見るために眼鏡をかけている帰宅未遂の冬のピロティ(P24)

ゆうやみの横断歩道を渡りゆくどの手もやがて灯をともす手だ(P46)

約束をしておとずれた水槽のくらげの前でまた約束を(P200)