夫や子の話はしない不文律ゆるく守りて菓子を分け合ふ(P191)
五欲なき吾子と社会のあひだには壁ありて子に障害をなす(P239)
- 本編も良かったけど、あとがきもまた印象的だった。
自作品を再読してみますと浪漫的であったり皮肉屋であったり、へなへなと弱いかと思えば肝っ玉母さん(中略)われながら役者の備忘録を読んでいるような気がしました。そしてその全てを統御している鵜匠のような<我>を想像すると気の遠くなるような感じがしますが、あまり考えず多面的な人間であるということで自分と折り合いをつけているところです。(P246~247)