- 水の上に建つ一軒の家。そこには老人がひとりで住んでいる。ある日、老人は水の中に落とし物をしてしまい……。という、12分くらいの短い物語。
- 「風が吹くとき」みたいな不穏な内容のものを想像していたのだけど、だいぶ違った。
(「風が吹くとき」も、あらすじは知ってるけどちゃんと観たことはなかったかもしれないので今度観るメモ。) - やさしい音楽と、やわらかな絵、そしてことばは一切なく静かに進んでゆく物語。
ちょっと調べてみたら、ナレーション付きバージョンもあるみたいなんだけど、ナレーションは要らないような……いつか見比べられたら。 - 孤独だけど不幸ではない、そんな老人の生活。……孤独、とも違うかもしれないな。たくさんの思い出を、ときどき思い出しながら、一緒に生きている感じがある。満ち足りている、というとまたちょっと違う気もするのだけれど。
- 温暖化……などの背景を想像をすることはできるけど、作中でその辺を明確に描いたら、雰囲気が損なわれてしまいそう。
こういう世界で、ここでひとり生き続けることを決めたひとがいる。それだけで十分なのかもしれない。 - ゆったりとして、少し切なくて、でも緩急があって、12分をじっくり味わえる作品。とても、とても良かったです。