- 前回はこちらに。
- 今回はP65~本編最後まで。数日にわけてちびちび味わった。
前回も書いたけど、飛躍感のある歌が多いからだろうか、「今日は波長が合うな」みたいなときはとても引き込まれる一方で、「今日は日が悪い、全く入ってこない……」みたいなこともあった。 - 総じて、心をいろんなところに連れていってくれる歌集だったと思う。
理解できているか?と聞かれたら、首を傾げる感じになってしまうけど、面白かったか?と聞かれたら、首を縦にぶんぶん振りたい。 - そして、おまけ部分……と言っていいのかわからないけど、巻末収録の「初版 帶文」が塚本邦雄氏で、解説が岡井隆氏という、なんだそりゃー!というお二人だった。フルコースを食べ終わって口を拭いていたら、「ところで、みつまめとパフェがあるんだけど」って言われた気分だ。
最初に「P65~本編最後まで」と書いたのはそのためで、まだここは読めていない。 - まだまだ知らないことばや読めない漢字があるものだなぁ、と改めて思った。
一冊の歌集を読むとき、平均2,3回くらい辞書を引く、または固有名詞を写真検索しながらになることが多いのだけど、この歌集ではそれが6,7回くらいあった気がする。
長靴の底にも月の射すやうな気がするぬるい失意のあとは(P133)
北極で北を失ふのと同じ 話すことなくて微笑んでゐる(P178)