日々の進捗

本条さんが読んだり遊んだりしたもののメモ

映画「映画大好きポンポさん」

  • 原作漫画「映画大好きポンポさん」シリーズが大好きで、この映画もぜひ映画館で……!と公開当時(2021年)に思ったのに、実際に観にいくまでの調整が出来なかった、そんな作品。
    アマプラだと、レンタル料が505円かかるけど、まぁただみたいなものです。

  • ストーリーは、前半は原作通り、映画作りの天才・ポンポさんと、その助手のジーン君が、一本の映画「マイスター」を撮る、というもの。
    普段はB級映画ばかりを撮っているポンポさんが、本格的な「名作っぽい」シナリオを(持ち前の天才じからでパパパッと)書き上げ、新人女優・ナタリーちゃんがその主人公を演じ、それをジーン君が初監督作品として形にしていく。
    ドタバタしつつも軽快にテンポ良く進み、要所要所でものづくりへの思いなどが語られ、「さくさくとライトに楽しめるのだけど、その実、熱くて深い」みたいなポンポさんワールドが展開される。

  • 後半は、映画オリジナルのストーリー展開。
    ジーン君の苦悩……ということで、やや原作漫画『映画大好きポンポさん 2』寄りの感じ……というか……。
    「映像をどう編集して規定時間内に切り詰めるか」みたいな話になっている。
    そのテーマ自体は非常に「ポンポさん世界的」であるし、オリジナルキャラのあれこれは熱いのだけど……私は、シンプルに「後半、長いな」と感じてしまった。

  • 苦悩のあれこれは「ポンポさん世界的」であるけど、キャラクタたちの直面する危機自体が「ポンポさん世界的」ではないような違和感があって。
    ポンポさんもジーン君も、もっと天才的だしマッドだから、原作2巻のように「1作目で成功したあと」に苦悩・迷走することはあっても、「今(1作目)」はしないのではないか、と。
    個人的な趣味ではあるけど、せめて「映画大好きポンポさん1&2」の内容を1本にして、オリジナル展開は「2」に絡む形で欲しかった。

  • それと、後半が「ジーン君が誰のために映画を作るか」ではなく「どんなテーマで絞り込むか(自分探し)」になったことによって、ラストの「この映画で一番気に入っているところは?」のくだりが弱くなってしまったのが、だいぶ不満。
    ジーン君の成長、は映画としては「正しい」テーマなのかもしれないけれど。

  • あと、総じて原作は、「主人公はジーン君でもあるんだけど、一冊を読み終えるとタイトル通りの印象」みたいなところがちゃんとあるのだけど、映画ではその辺のバランスがだいぶ傾いているので、観終わって「……はて、タイトル?」という感じがだいぶあった。

  • たぶん、初見のひとが観れば、文句なしに面白い映画なんだと思う。けれど、私は原作への愛が強すぎて、面倒くさい感想になってしまった。