短編映画「つみきのいえ」
- 水の上に建つ一軒の家。そこには老人がひとりで住んでいる。ある日、老人は水の中に落とし物をしてしまい……。という、12分くらいの短い物語。
- 「風が吹くとき」みたいな不穏な内容のものを想像していたのだけど、だいぶ違った。
(「風が吹くとき」も、あらすじは知ってるけどちゃんと観たことはなかったかもしれないので今度観るメモ。) - やさしい音楽と、やわらかな絵、そしてことばは一切なく静かに進んでゆく物語。
ちょっと調べてみたら、ナレーション付きバージョンもあるみたいなんだけど、ナレーションは要らないような……いつか見比べられたら。 - 孤独だけど不幸ではない、そんな老人の生活。……孤独、とも違うかもしれないな。たくさんの思い出を、ときどき思い出しながら、一緒に生きている感じがある。満ち足りている、というとまたちょっと違う気もするのだけれど。
- 温暖化……などの背景を想像をすることはできるけど、作中でその辺を明確に描いたら、雰囲気が損なわれてしまいそう。
こういう世界で、ここでひとり生き続けることを決めたひとがいる。それだけで十分なのかもしれない。 - ゆったりとして、少し切なくて、でも緩急があって、12分をじっくり味わえる作品。とても、とても良かったです。
映画「ツィゴイネルワイゼン」
- 士官学校独逸語教授をつとめる男性・靑地は、旅先で親友・中砂と出会う。女殺しの疑いをかけられた中砂の身元を保証する靑地。そのまま旅館で一泊することになった二人は、そこで芸者・小稲と出会う。彼女は弟を亡くしたばかりだったが、その死体には不可解な点があったという……。
- という感じに始まるので、てっきりミステリーっぽい作品なのかと思ったのだけど、ちょっと違った。
誰が犯人だとか、動機がどうしたとか、そういうタイプのストーリーではない。 - ただ、謎が謎を呼ぶ展開であり、誰のどの証言が真実なのか、なにが夢でなにが現実なのか、誰が正気なのか、次第に幻惑されてゆく……という意味ではミステリアスな作品。
見ていると、だんだん喉が渇いてくる感覚が強くあった。 - 主人公である靑地は、知的で身なりもよく、真面目だけど趣味人でもあり、奥さんもモダンで明るい感じで、洋風の暮らしをしている。語り口や言動も落ち着いている。
一方で、親友の中砂は、女にだらしなく、放浪癖があり、和風の暮らしをしていて、言動が荒々しい。
更に、彼らの妻や、靑地の義妹・妙子、謎めいた芸者・小稲、などの女性たちの言動が複雑に絡み合って、妖しげな世界観を醸し出している。 - しかし、映画の中の時代(1980年公開の映画だけど、舞台設定はもうすこし古そう)というのは、今とだいぶ雰囲気が違って、そこも味わい深いな。
ファッションなどもそうだけど、みんな煙草吸いすぎ、お酒飲み過ぎ、旅先で御狼藉しすぎやろ……。 - 全体的に女性の扱いが雑、というのの裏表なのかもしれないけど、わりと序盤の靑地が中砂に「君と一緒に旅行したかったのに、君が一人で行ってしまった」と恨み言をいうやりとりがちょっと印象的だった。
なんとなく、昭和の頃はまだ、なんでも男性同士する(ご飯を食べる、旅行するなど)みたいな雰囲気だったのかなーとか。平成くらいになると、もっと「カップル、家族でする」ことが多くなっていって、それが最近十年くらいだと、「男女問わず、ひとりでも、複数でも、する」のが普通になってゆくというか。イメージだけど。 - それにしても、「ツィゴイネルワイゼン」の使われ方がすごいな……特に最後の……。
- 最後に、「ツィゴイネルワイゼン」の原曲の話をちょっと。
バイオリンをやっていた頃(受験などを控えてそろそろ辞めようかな、と思っていた頃)、「ツィゴイネルワイゼン」にも取りかかったのだけど、あまりちゃんと練習しなくて、「弾ける」レベルにまで到達しなかった思い出が。
そんなこんなで、この曲を聴くと淡い後悔のようなものが少しだけ浮かんできます。でも、好きな曲。
カラオケ、古い方から全部うたう・37
- ここまで474曲。今日も1991年の続き。……本当は先週の分なんだけど、ブログを書く時間がなかった……。
- 1991年(4回目)
・千の夜と一つの朝(ELLIS)
・卒業(渡辺美里)
・それが大事(大事MANブラザーズ)
・タイムリミット(松任谷由実)
・誰も知らないブルーエンジェル(工藤静香)
・Choo Choo TRAIN(ZOO)
・追憶のヒロイン(Wink)
・翼をください(川村かおり)
・伝説の少女(観月ありさ)
・TONIGHT[Is The Night](B'z)
・遠い街のどこかで…(中山美穂)
・どんなときも。(槇原敬之)
・トーキョー迷子(中島みゆき)
・夏の魔物(スピッツ) - 「追憶のヒロイン」は好きな歌なので………あれ?点が振るわんぞ……?
1回目は88点、泣きの2回目も89点だったので、これ、さては難しいな!?
いったん諦めます。好きなのに……。 - 「翼をください」(川村かおり)は久しぶりすぎて、「へぇ、こんなアレンジだったんだー」みたいな新鮮な驚きがあった。
彼女の歌では「Russian Blue」が無茶苦茶好きなので、カラオケに入ってほしい。 - 「伝説の少女」は……ん?……ああ、私が歌えるのは「風の中で」だったようです。どちらも作詞・作曲:尾崎亜美なので、もしかしたら昔、カセットか何かを持っていたんじゃないかと思うんだけど……。
- 「TONIGHT[Is The Night]」は、89点くらいで惜しかった。惜しかったけど、ちょっと細部が自信ないので、今回はギブで。
- カウントは11曲で、ここまで485曲。1991年、半分くらいは来たかな?
歌集『川端通り』(石井幸子)・2
夫や子の話はしない不文律ゆるく守りて菓子を分け合ふ(P191)
五欲なき吾子と社会のあひだには壁ありて子に障害をなす(P239)
- 本編も良かったけど、あとがきもまた印象的だった。
自作品を再読してみますと浪漫的であったり皮肉屋であったり、へなへなと弱いかと思えば肝っ玉母さん(中略)われながら役者の備忘録を読んでいるような気がしました。そしてその全てを統御している鵜匠のような<我>を想像すると気の遠くなるような感じがしますが、あまり考えず多面的な人間であるということで自分と折り合いをつけているところです。(P246~247)
カラオケ、古い方から全部うたう・36
- ここまで464曲。今日も1991年の続きを。
- 1991年(3回目)
・さよならイエスタデイ(TUBE)
・サンド キャッスル(松任谷由実)
・Just U(米米CLUB)
・ジャングル プリンセス(PRINCESS PRINCESS)
・少女時代(原由子)
・情熱に届かない~Don't Let Me Go~(松任谷由実)
・白い2白い珊瑚礁(Mi-Ke)
・C.Q.(中島みゆき)
・SAY YES(CHAGE&ASKA)
・Say Anything(X JAPAN)
・SEVEN YEARTS AFTER(PRINCESS PRINCESS) - 「Just U」は、いつもの「本編はクリアしたけど最後のおまけを覚えてない」パターンで89点くらいでした。惜しい。
- 「C.Q.」には15年振りくらいに久しぶりに触れたけど、改めて歌詞をみると、SNSに浸かった現代人からも共感を得る内容だなぁと思った。
「ただ聞いてみたいだけ」
「どうでもいいようなことただ聞いてほしいだけ」
「咲いてた花のことや 拾ったボールのこと」
これいつもTwitter(X)とかでやってるやつや……。 - ユーミンは、アルバムでいうと「DAWN PURPLE」の頃。
この前の「天国のドア」までは、親の持ち物として元から家にあったもので、ここから先は自分がリアタイしていたもの。ちょっと感慨深い。
特に、「情熱に届かない〜Don't Let Me Go~」は発売前後にラジオで死ぬほど聞いた。併せて「♪トーキョーエフエーム エイティーポインゼーロー」って幻聴まで聞こえる。 - 10曲うたって、ここまで474曲。1991年、たぶんあと4,5回は続くはず。
珍しいものいろいろ飲み食いする・5
- この夏の分をまとめて。
- ひとつめ、「ZiO フォー」(吉祥寺店)の牛肉フォー。

- スープに魚醤が入ってるのかな?辛みはないし、食べやすいのだけど、どこかエキゾチックな味がします。牛肉たっぷり。「牛肉フォー」だけで5種類ある(肉の部位が違う?)ので、食べ比べも面白そう。
卓上にいくつかスパイスや調味料(辛いのとか酸っぱいのとか)が置いてあって、味を変化させながら食べられるのも面白い。
他に、「鶏肉フォー」「バインミーサンド」などもある。 - ふたつめ、「上海楼 刀削麺館」(武蔵境)。
→食べログ

- YouTubeなどで削る動画を見ると気持ちいいやつ。(こういうのとか)
ラーメンよりも、うどんの仲間なのかもしれない。それも、きしめんとかほうとうとか、そっち系の。麺は横に太くて、もっちりしてる。
私は麻婆豆腐が掛かってるやつをオーダー。ちょっとピリ辛なので、子どもはやめておいた方が良さそう。大人ならふつうに大丈夫。おいしい。でも量は多い。(ちょっと食べきれなかった。)
子どもが頼んでいた「豚バラ刀削麺」の方は、辛くないので幅広い層に。上に、分厚いチャーシュー……というかもはや角煮……が何枚も載っているので、ボリュームはすごい。(だいぶ食べきれなかった。) - みっつめ。庭のヤマボウシの実。いきなりテイストが違うけど、一緒にまとめてしまおう。
ヤマボウシに実がなるのは知っていたのだけど、ぶつぶつしてちょっと不気味なので、「これ、食べられるのかな?」みたいな発想がそもそも無かった。のだけど、最近「野食ハンター茸本朗さんのチャンネル」を観てる影響か、ふと気になって調べてみた。で、食べられることが分かって。それが春頃の話。
やっと旬になったので、実食。

正直、あまりそそられるフォルムではないのだけど……ネットで調べると、けっこう「自然になる木の実にしてはうまい」「バナナやマンゴーのような甘さ」などの記述があるので、すごく渋いとかではなさそうなんだよな。
皮を剥いてみる。思ってたよりだいぶ柔らかくて、果物感がある。どれどれ……おお、食感はざりざりしていて、洋なしっぽいな。そして、ちゃんと、しっかり甘い。柿っぽい……それと、ネット上のレビューで見かけた南国の果物っぽい雰囲気もある。
えっ、なんだこれ、「食べられる」というより「美味しい」だ。びっくり。これからもうちょっとちゃんとお世話しよう。
歌集『川端通り』(石井幸子)・1
- 私が次席を頂いた「第9回 中城ふみ子賞」の、大賞を受賞された方の第3歌集。受賞作「さをりの空」を含む397首が収録されています。
- 連作「さをりの空」は、「短歌研究」に掲載されたときにもちろん拝読していて。
主題について、流れるような調べについて、自他をみつめるまなざしについて、当時、いろんなことを思った。とても端的に言うなら、「なるほど、これはたしかに大賞作品だ」と。 - というわけで、この歌集が出ると聞いたときはとても嬉しかったし、絶対読みたいし読まなきゃいかない歌集だ、という強い思いがあった。……のに、一年近く経過してしまったのは、まぁ、その。
- 歌集として改めて読んでいくと、受賞作の研ぎ澄まされた感じ、だけではない、「いつもの歌」という印象のやわらかな歌、おもしろい歌にもたくさん出会えるのが良いと思う。
その土地の季節の移り変わり、日々のほんの一瞬のなにか、家族とのささやかなあれこれ。
コンテスト的なものに応募する歌というのは、どうしても、テーマ性やストーリー性の強いものになりがちだけど、読者としても作者としても、こういう「いつもの歌」を大事にしたいな、と思う。どちらが上だとかではなくて。 - 今日はP146まで。次回、続きから、たぶん最後まで。
巡行の去りたる端より手際よく信号ともる河原町通り(P58)
たかむらを風ふきわたる光琳の雲よりかろき宗達の雲(P111)
夫とわれなにを競ひて譲らざる旅の些細な記憶違ひを(P138)